2020年1月5日日曜日

於岩稲荷陽運寺|縁結びも、縁切りもご利益のあるお岩さんにゆかりのお稲荷さん

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 あろうことか、於岩稲荷田宮神社の斜め向かいに、これまた於岩稲荷があります。こちらは、陽運寺というお寺さんです。
 なぜ、於岩稲荷が向かい合っているのでしょうか。歴史的に理由があって、そしてお互いに認め合っているようでもありません。何なのですか?


 陽運寺は、昭和初期の創建のようです。陽運寺にある説明板によりますと、もともと、この地にはお岩さんの霊堂があったとのことです。しかし、その霊堂が戦災にあったため、栃木県の薬師堂を移築再建し開山したと記されています。


 また、境内にはお岩さま縁の井戸もあります。
 どうもよく分からないのが、場所ですね。江戸切り絵図の四谷絵図には、現在の田宮神社の場所に「於岩イナリ」と記載がしてあります。ですので、場所的には、やはり田宮神社の方が本家本元のような気がします。ですが、この陽運寺の境内にお岩さま縁の井戸があったり、お岩さんの霊堂があったと伝わっていたり。四谷絵図では、この場所は、田宮家ではない他の家の武家屋敷になっています。本当にお岩さん縁なの?と首を傾げたくなりますが、こちらにある井戸は、新宿区指定の文化財とのことですので、間違いではないのでしょう。
 私、歴史好きで、あれこれ調べたくなるのですけど、あまりこれ以上詮索すると、どちらのお稲荷さんに対しても誹謗中傷になりそうですので、これ以上はやめときます。




 場所的には、田宮神社が本家本元に間違いはないでしょうが、こちらの陽運寺の方が、参拝者は多いように感じました。縁結びや、縁切りにご利益があるということで、特に女性の参拝者が多いようでした。


 田宮神社には、澁谷三業料亭組合の玉垣があり、なぜ、四谷がないのかなと思っておりましたが、こちらの陽運寺には、削れていて読み取りにくいですが「荒木町・・・三業・・・」という玉垣があります。これは、四谷荒木町花街の三業組合の物ですね。
 そして面白いのが、「新宿二丁目カフェー事業・・・」という玉垣があります。新宿二丁目と言えば、今は日本でも有数のゲイタウンですが、以前は、遊郭があったそうです。この玉垣を見て調べたら、そうでした。カフェーとは、遊郭の業態の一種ですね。このような玉垣があるのも面白いです。
 そして、「大木戸三業・・・」という玉垣もあります。こちらは、四谷荒木町ではなくて、四谷大木戸花街の三業組合ですね。大木戸花街ってのも初めて知りました。
 うーん、近代風俗の勉強になります。変な意味ではないですよ。風俗は、立派な文化だと思っていますから。立派な日本文化の歌舞伎だって、江戸時代では、風俗を乱すと目を付けられていたわけですから。


於岩稲荷陽運寺の地図、アクセス

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