東急東横線、学芸大学駅。東京学芸大学というのは戦後、昭和24年(1949)に、それまで東京にいくつかあった師範学校を統合して設立された大学。設立当初は、まさに学芸大学駅の西口にあったのだが、昭和39年(1964)には、大学機能は全て小金井キャンパスに統合され、附属高校だけとなった。
大学はたったの15年しかなかったということなのだが、駅名は、その後ずっと学芸大学駅のままでいるのだ。
西口商店街の入り口には大きな立派なアーチがかかっているが、その左には第一ストアーという昭和な商業ビルがある。この第一ストアーと線路の間の路地をそのまま歩いて行くと、学芸大学公園通り商栄会につながるのだが、この通り沿いに第一ストアーの地下入り口がある。
この第一ストアーの地下入り口は、なんとも言えないシブみを感じる。戦後のヤミ市のあったところに建ったビルに、もともとあった露店が押し込まれたような、そんな雰囲気を感じてしまう。
と思って、ネットを探し回ったら学芸大学のヤミ市について書かれた記事があった。これを読ませてもらうと、やはり駅前に第一マーケットというヤミ市があったようだ。その第一マーケットと、周辺にあった他の店の土地も併せて第一ストアーができたようだ。
地下に降りる階段の真上には、店舗の看板が掲げられてい。不動産屋に、バー、居酒屋、乾物店に、製麺所の看板が掲げられている。しかし、降りてみると空きスペースになっている部分も多い。
地下への入り口はもう一つあり、そこには、「食料品なら何でも揃う 第一ストア 地下食品街」と書いてある。以前は、住民の食生活に密着していたのかもしれないが、時の流れとともにこうなってしまったのかな。
地上の西口商店街のメインストリートに戻ると、すぐ北に細い路地がある。そっちに入ってみると町中華東軒がある。昭和51年(19769)からやっている。
休日の昼間には、地元の人たちがお昼を食べるだけでなく、昼酒を飲んで、老若男女分け隔てなくワイワイやっていて、実に微笑ましい。学芸大は、昼飲みできるところがあまりないので、老いも若きも酒飲みは、東軒に集まってくるのか?
東軒の向かいには、ヴィンテージなどを扱うセレクトショプ、mama guita。大人の女性がターゲットな感じ。
大人の女性がターゲットだと、商店街には町の洋品店のようなおばちゃんのレディースショップがありがちだけど、さすが、学芸大はオシャレな感じがするな。
東軒の脇には飲み屋が集まる路地がある。バーや居酒屋がビルに結構入っている。スナックはなさそうだが、ガールズバーなんかもある。ここだけ切り取ると、なんだか小さな地方都市の駅前にあるちっちゃな飲み屋街みたいだ。
この通りには、古着屋がある。アメリカの古着を扱うMOODだ。
学芸大学公園通り商栄会にも古着屋が数店あったが、高円寺や下北沢ほどではないにしても、学芸大学周辺には古着屋が点在している。
メイン通りに戻る。学芸大公園通りとは違って活気のある賑やかな商店街だ。
学芸大学ができる前は、学芸大学駅は碑文谷駅と名乗っていたのだが、先ほどご紹介した学芸大学のヤミ市について書かれた記事のあるサイトを見ていると、碑文谷駅当時の駅の写真が掲載してある。その頃からもう駅前には商店が並んでいるので、ここらは古くから商店街だったのだろう。
実際に、看板建築など古い商店建築が多く残っている。レトロな街並みも魅力の一つだ。
何だか、物々しい看板、「家元御言付物 諸作家作品書画 御茶道具 里庵」と書いてあるが、イタリアンが入っている。
元は、茶道具屋だったんろう。その看板が残っているのがいいな。
古びた看板建築などに、ラーメン屋、立ち飲み屋などの飲食店が入っている。
焼鳥 黒澤惣三と看板が掲げられているのだが、古着を売っていた。もともと焼き鳥屋だった店舗が古着屋になっているのかと思ったが、奥で串討ちしていたのでまだ焼き鳥屋のようだ。昼夜でお店をシェアしてるのかな?
学芸大学西口商店街振興組合の地図、アクセス
東京都目黒区鷹番3丁目
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