2023年11月5日日曜日

小梅通り|スカイツリータウン直下に残る、ザ下町

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 小梅通りは、東京スカイツリーから少し北にある静かな通り。スカイツリー周辺の喧騒がウソなのかと思ってしまうほどの静けさ。いやまぁ、そう考えると、スカイツリーに集まる人たちはスカイツリー周辺のごく限られた所にしか集まらず、そこからはみ出すことはほぼないと言っていいいのだろう。これは、下町に突如できた最新の観光地すらも、下町に根付いた真の下町を変えることはできないのだ。


 その新しい、最新の観光地ができた押上の、下町としてのルーツ、真の顔をそのままとどめているのは、おそらく小梅通りのキクヤ食堂なんじゃないかと思っている。オシャレなスイーツとかグルメを求めてスカイツリータウンに集まる人たちを尻目に、そのままの姿で居つづけている。
 創業したのは昭和23年(1948)。それからずっと押上にあり、そしてスカイツリーができて観光地化しても、このたたずまい。スカイツリー観光にきたんだったら、押上のルーツを知らなきゃダメでしょ。スカイツリータウンから5分もかからない。


 お店の中は、あえて言うが、はっきり言って汚い。いや、これは戦後すぐから営業している宿命、深み、味わいなんだ。そして大概、地元の大先輩たちが酒を飲みながら競馬中継を見ている。小上がりの座敷で寝ている大先輩いる。テーブルに突っ伏してうたた寝しているんではんくて、本当に眠りについている。観光客なんていやしない。
 そうなんですよ、これが下町、押上なんですよ。東京の下町、押上にこびりついたぬくもりなんですよ。いくらオシャレになっても拭いされない下町が残っている。スカイツリー見るより、ここを見とかないと無くなっちまうぞ。


 うまいうまいと評判のカレーライスは300円。大盛りでも400円。安過ぎないか?一体いつから価格すえおきなんだろうか。メニューは、そのほか肉豆腐や親子丼などあるが、店主はかなりのご高齢で、なんだか頼むのが申し訳なく感じる。


 スカイツリー観光に来たら、ぜひ寄ってもらいたいものである。


 この味のある看板建築は、ゲストハウスになっているようだ。ネットで見ると、この小さな宿でライブイベントをやったりしているらしい。スカイツリータウンの裏通りみたいなところで、なかなかイキなことをやっているんだな。



 小梅通りから路地に入ったところにあるBANANA FACTORY。バナナにこだわったスイーツのお店だ。こんな裏通りにも関わらず、たくさんのお客さんで賑わっている。


 小梅通りの賑わいというか、人出があるようなところはここまでで、あとは何もない。マンションが立ち並ぶ中に、たまにレトロな看板建築があったりする。


 この小梅通り、片側一車線の通りなのだが、1kmにも満たない短い通りなのだ。東側は、いきなり下町然とした路地となり小梅通りは消えてしまう。変な通りなのだが、これは押上一丁目仲町会のサイトに「小梅通りの怪」という記事が載っていて、これを見るとナゾがとける。それにしても町会のサイトがあるってのがすごいな。


 そもそも、この通りは関東大震災後の復興計画で、ここに準幹線道路を作ることが計画され改正道路と呼ばれていたんだそうだ。しかしながら、その後、日中戦争、太平洋戦争と戦争の時代に入り、計画が中断され、そして、戦後、曳舟川が埋め立てられ広い曳舟川通りができたため、改正道路を延長する必要がなくなり、短いままで終わってしまったんだそうだ。
 だから、広い通りに関わらず、車の通りも少ない奇妙な通りになってしまったようだ。


 改正道路という名前で作られ始めた通りだが、昭和61年(1986)に小梅通りという愛称が付けられた。なぜ小梅通りというのか。住所は向島なんだが。


 実は、この辺り、江戸時代には小梅村という村だった。隅田向嶋絵図を見ると押上の上の方に小梅村と書いてある。小梅村を分断しているのが曳舟川。この絵図で見ると曳舟川が北上しているように見えるが、これは描き間違いかな。
 昭和38年(1963)までは、実際に小梅という地名が残っていたようだ。そんな歴史的背景から、小梅通りという名前になったんだろう。






 小梅通りからは、どこへ行ってもスカイツリーが見える。この下町とスカイツリーの調和は見事だと思う。


梅通りの場所、地図

東京都墨田区向島3丁目、4丁目

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