2024年1月21日日曜日

池ノ上商栄会|昭和レトロと下北沢のサブカルチャーとがミックスする商店街

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 下北沢駅の隣駅、京王井の頭線の池ノ上駅。その駅前通りが池ノ上商栄会という商店街になっている。
 高架化していない踏切のあるローカルな駅の商店街なんだが、ここは世田谷、シモキタの隣町。昭和レトロな細い通りの商店街だけど、洒落た飲食店があったり、古着屋があったりする。とはいっても、シモキタのようにポップではなく、どちらかというと通好みなコアな感じのお店が、ひっそりとやっている感じのする商店街なのだ。

ノ上商栄会地図、アクセス

東京都世田谷区代沢2丁目



ぜ池ノ上?池ノ上の歴史


 ところで、駅は池ノ上なんだが、このあたり一帯の地名は代沢であり、池ノ上なんて地名がない。
 どうやら昔は池ノ上と言われていたようだけれど、もう地名としては残っていないようだ。そして、池ノ上というその名の通り、その昔は池があったらしい。確かに、池ノ上駅の東の方から南はかなり窪地になっている。そこら辺に池があったらしい。

1936〜1942年頃(国土地理院)

 池ノ上駅が開業したのが昭和8年(1933)。その頃、池ノ上駅開業後の航空写真を見ると、駅周辺は住宅が多くあるのが分かる。写真のほぼ中央が池ノ上駅。そこから南北に空き地のような通りのような土地があるが、おそらく、これが駅前通りで、今の池ノ上商栄会がある場所だろう。
 こう見ると、この当時は、まだ商店街として発展はしていなかったのかなと思える。






1945〜1950年頃(国土地理院)



 その後、戦後の航空写真を見ると、駅前通りは、建物が立ち並んでいるように見える。
 勝手な想像だけれど、池ノ上駅前通りが商店街として賑わい始めたのは戦後からなのかな。




ノ上商栄会 散策


 どこの商店街もそうなんだろうが、そもそもは近所の人たちの生活のためにできた街。池ノ上商栄会にも、駅のすぐ近くにスーパーがある。商店街として成り立ち始めた頃は、こうした生活に必要な商店が立ち並んだのだろう。


 しかしながら、おそらく商店街のそのような生活のためとしての機能は過去のものとなってしまっているんだろうが、池ノ上という下北沢に近いという立地が、池ノ上の商店街に新しい個性を付け加えているような気がする。
 印象深いのは、THE GUITAR LOUGEというヴィンテージギターショップ。年代物のギターやアンプ、エフェクターなどを売っている。住宅街の商店街ではなかなかお目にかかることはないマニアックなお店。
 それと、先にも書いたが古着屋が点在している。下北沢の文化が流れ込んできているとしか思えない。
 ポップカルチャーというか、サブカルチャーというか、そんな文化が少しずつ流れ込む池ノ上。そして、それを受け入れる古き良きレトロな香りのする池ノ上商栄会。
 通りには、レトロな商店建築なんかも残っている。左のはそんなに古くはないのだろうが、2階の窓上にモニュメントがあるのだが、タイルで覆われた建物全体といい、なんとも言えないレトロ感だ。


 建物もそうだが、古いお店もある。由縁堂という古書店があるが、昭和20年代からあるようだ。世田谷区のサイトに下北沢文士町文化地図っていうのが掲載されているのだが、童謡の「たきび」で知られる巽聖歌や、児童文学者の与田準一などが住んでいた見晴荘というのが、池ノ上にあったことが記されている。もしかしたら、そんな文士たちが訪れたりしたのかもしれない。


 なかなかの和風な商店建築。左は板金工場のようだが、ブリキの看板に書いてあった文字が消されたような跡があるので、もしかしたら以前は違う商店なのか、何かが入っていたのか。池ノ上商栄会の歴史を物語る建築だ。


 こちらも、古い看板建築物。建物の色合いが、良い風味を出している。


 池ノ上駅前に戻って、北側も少し池ノ上商栄会となている。踏切と商店街は、なかなか良い風情なんだな。


ノ上商栄会 情報交換

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