2020年8月9日日曜日

金龍山 浅草寺①|雷門から本堂まで

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 私の年代では、浅草というと、なんだか時代遅れな、渋谷、六本木が最新だなんて感覚がありますが、江戸時代から昭和にかけて、浅草は、大衆文化の中心地であり続け、大繁華街でありました。歌舞伎などの大衆演劇はもちろん、吉原などの風俗文化でも大いに栄えた街であります。
 今では、浅草は、東京の一大観光スポットとして、海外からの観光客も多数訪れる場所となっております。雷門も、本堂もバカデカくて派手ですから、人気があるのでしょうか。
 でも、木造建築崇拝者の私としては、コンクリート建築であることからして魅力半減なのですが。

 そうは言っても、雷門からして、いきなりド派手ですよね。松下幸之助さんの寄進によって再建されたので、戦災で焼け落ちたのかと思っていたのですが、慶應元年(1856)の大火で炎上してしまっていたようです。昭和35年(1960)に再建されたそうなので、江戸末期から、昭和35年までは、この当たり前のような光景は無かったのですね。知りませんでした。


 雷門の風神雷神も、ド派手ですが、やはり、慶應元年の大火で頭部以外は焼失したそうです。動体部は、明治期に改めて造られたようです。


 そして、この提灯。これが見れたら、観光しにきた甲斐があるというものですよね。
 この提灯も、昭和35年の雷門再建の際に、松下幸之助さんから寄進されました。ですので、銘板に「松下電器」と書かれています。こんなに大きな提灯が吊るされるようになったのは、1800年頃とされています。




 安藤広重が描いた江戸高名会亭尽、江戸名所百景に、雷門と提灯が描かれています。この提灯には、「志ん橋」と書かれていそうですね。「志ん橋」は、現在は本堂の提灯に書かれています。


 雷門を潜ると、風神雷神の背後部には、竜神像があります。こちらも、松下グループによる寄贈品のようです。浅草寺は、とにかく、松下電器、松下幸之助無くしては、今の繁栄は無かったのではないかとすら思えます。


 雷門を潜った先は、仲見世通りです。


 この仲見世通りの雑多な感じ、日本文化をどこか別の方向に解釈してしまっているような商品群は、見どころ満載です。江戸切絵図を見ますと、雷門をくぐって延びる参道には浅草寺の子院が連なっておりますが、参道沿いは、町屋を示す色が塗られております。当時、この子院の門前でお土産や菓子などを売ることが許されており、それが仲見世の始まりのようです(江戸東京切絵図散歩:山川出版社)。もともとこの参道にあった子院は、地図で調べると、浅草界隈に移転しているようです。特に浅草寺の北側に移転している子院が多いようです。理由は調べます。今はわかりません。


 何はともあれ、この雰囲気はたまりません。ド派手な朱塗りの雷門を潜り抜けると、この日本文化を拡大解釈したお土産が、海外の方の心を混乱状態に陥れているのでしょう。



 仲見世通りは、夜の閉店後も見所があります。人気の少なくなった仲見世通りにシャッターが下りますが、このシャッターには、シャッターアートとも呼ぶべき、日本文化や、浮世絵がモチーフになった絵が描かれています。


 そして、仲見世通りの先には、宝蔵門(仁王門)があります。


 五重塔が仁王門の西にありますが、先ほどの江戸名所図会や、江戸切絵図には、東側に配置されています。


 浅草寺に仏塔ができたのは、天慶5年(942)とされていて、当時は五重塔ではなく三重塔だったようです。しかも、東西に配置されていて、西に三重塔、東に五重塔が建っていたと考えられているようです。火災で焼失した後、慶安元年(1648)に徳川家光が再建しましたが、東側の五重塔のみの再建だったようです。ですので、下の切り絵図には、東側の五重塔しか描かれていません。
 そして、昭和20年(1945)の東京大空襲で、焼失してしまい、昭和48年(1973)、今度は、三重塔が建っていた西側に五重塔が再建されたのです。


 江戸切り絵図には、仁王門と書かれています。仁王像が安置されているから仁王門ですが、現在は、仁王像もありますが、経典や寺宝を納めていることから、宝蔵門と呼ばれています。やはり、東京大空襲で焼け落ち、昭和39年(1964)に、こちらは、大谷重工業の大谷米太郎氏の寄進により再建されました。


 宝蔵門を潜ると、本堂が見えてきます。
 巨大な本堂に、巨大な提灯。圧巻ですね。これが、鉄筋コンクリートでなくて、木造なら最高なのですが、と、懐古趣味な私は思ってしまいます。
 浅草寺からは、東京スカイツリーが見えます。仏教建築と電波塔。芝の増上寺も、東京タワーが見えます。東京ならではですね。

草寺地図、アクセス

東京都台東区浅草2−3−1



①雷門から本堂まで▶︎②弁天山

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