そんな百軒店を散策していると、ラブホテルの奥に神社が。
神社の隣にラブホテルを建てるなんて穢らわしい!なんて、今の感覚では、そう思ってしまいますが、そんなことはありません。昔から、神社仏閣は、人の集まるところ。門前町という言葉の通り、大きな神社やお寺の近くには、繁華街ができます。そして、江戸時代では、岡場所と呼ばれた、今で言う風俗街は、神社やお寺の近くにもあったのです。谷中の感應寺(天王寺)、根津神社、両国の回向院、などなど数多くあります。聖と俗は隣り合わせなのです。
ただ、この千代田稲荷神社周辺は、神社の周りが繁華街となり、風俗街もできたというのではなく、百軒店という百貨店街を作る際に、移築された神社なのです。
起源を遡ると、室町時代の長禄元年(1457)に、太田道灌が江戸城築城の際に守護神として伏見稲荷を勧請したのが始まりです。徳川家康入城後、江戸城拡張のため、渋谷の宮益坂に移され、江戸城の別名から千代田稲荷と名前が付けられたのです。
そして、大正時代、関東大震災後、百軒店を造成する際に、商売繁盛の神として移されたのです。
境内には、境内社「中川稲荷神社」があります。境内の由緒書きには、「中川稲荷神社(伏見稲荷神社)」と書かれています。太田道灌が勧請した伏見稲荷と関係があるのでしょうか。神道に造詣の無い私には、よく分かりません。
朱色の幟が立ち並ぶ姿は、なぜか落ち着きますね。
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