2021年3月7日日曜日

玉の井いろは通り商店街②|濹東綺譚といろは通り

東綺譚 に登場するいろは通り    

 いろは通りは、永井荷風の「濹東綺譚」には大正道路として登場します。
 「わたくしは常夏の花一鉢を購ひ、別の路地を抜けて、もと来た大正道路へ出た。すこし行くと右側に交番がある。今夜はこの辺りの人達と同じやうな服装をして、植木鉢をも手にしてゐるから大丈夫とは思ったが、避けるに若くはないと、後戻りして、角に酒屋と水菓子屋のある道に曲がった。
  この道の片側に並んだ商店の後一帯の路地は所謂第一部と名付けられたラビリントで。お雪の家の在る第二部を貫くかの溝は、突然第一部のはづれの道端に現はれて、中島湯といふ暖簾を下げた洗湯の前を流れ、許可地外の真暗な裏長屋の間に行き先を没してゐる。


 啓運閣願満稲荷社にある永井荷風が記録したとされる地図を見ると、薄れてよく見えませんが、赤丸には「マスヤ酒店」と書いてあり、緑丸には「水菓子ヤ」と書かれているようです。水色丸が「交番」、青丸が「中島銭湯」です。
 主人公のわたくしは、左(西)から、交番の在る方向に向かって歩いていたのだと思われます。




 この通りが、わたくしが、歩いた通りだと思われますが、交番はもうありません。


 ここを東に進んだのでしょうが、交番に差し掛かる前に、西に戻り、「角に酒屋と水菓子屋のある道に曲がった。」とあります。残念ながら、その酒屋だろうと思われるマスヤ酒店も、水菓子ヤも、残っていません。
 いろは通り(大正道路)を挟んで反対側には、酒喜屋本店という酒屋がありますが、これは関係ないでしょう。それにしても、この酒喜屋本店の立派なこと!


 この反対側の路地を入っていくと、玉ノ井私娼窟の永井荷風の言うところの第一部、初期の玉ノ井私娼窟があったことになります。


の井いろは通り商店街の地図、アクセス

東京都墨田区墨田3丁目、東向島5丁目
 




の井いろは通り店街 情報交換


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