2021年4月11日日曜日

東向島駅前商店街|滝田ゆうの漫画「寺島町綺談」の舞台

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 東武スカイツリーラインの東向島駅。世界一のタワー、東京スカイツリーを通る東武スカイツリーラインの沿線でありますが、この沿線は、完璧なほどの下町であります。東向島駅も完全無欠な下町で、その駅前にあるのが東向島駅前商店街です。




 改札を出て右の線路の高架下沿いは、東寺島駅前商店街の中でも、別名が付けられており、「東向島粋いき通り(博物館通り)」という通りになっております。粋いき通りだけでなく、カッコして博物館通りなど、主張の強い通りです。高架下に東武博物館があるので、博物館通りなのは分かりますが、それはカッコにして、粋いき通りだそうです。


 看板建築の残る昭和レトロな通りです。ステンレスパーツ屋があるなんて、下町の町工場が多くあった場所だということを象徴していますね。
 下の建物は、何だったのでしょう。ベージュの壁面に、赤茶色の雨戸、赤茶色の玄関や窓の庇。独特な色彩です。



 粋いき通りの路地の奥には、赤提灯が。酒場が二軒。路地裏の古い家屋に灯る赤提灯の雰囲気が素晴らしいですが、ネットで調べてもどんなお店か分かりません。



 路地から、粋いき通りに戻り、北に歩くと、金屋肉丸食堂というお店があります。こちらは、リーズナブルな下町価格でステーキやハンバーグが食べれる、地元の人気店だそうです。






島町綺譚や、濹東綺譚などに出てくる色街「玉の井」

 東向島駅の北東部は、寺島町綺談や濹東綺譚に出てくる大正から昭和にかけての色街であります。東武鉄道の東向島駅の紹介には、花街と書いてありますが、花街というと芸者さんの街を思い浮かべますが、そうではなく、売春街、戦後は赤線地帯であり、芸者さんがいた街ではありません。売春婦がいた街です。
 玉の井の私娼街は、時期によって移り変わっているのですが、この東向島駅前商店街の東側あたりも、戦前のある時期は私娼街でありました。



 その玉の井の私娼街があったであろう東向島駅前商店街の東側を歩いてみたところで、古い建物の残るレトロな街並みではありますが、やはり、色街の名残は全くありません。



 少し東の方まで歩くと、商店というよりは、町工場ではなかろうかと思われる建物が多くあります。この辺りは下町の工場街だったのでしょうか。



 閑静な住宅街の中に、突拍子もなく立派な看板建築が現れたりします。今は、完璧なまでの住宅街ですが、その昔は、商店街だったり、工場街だったりしたということなのでしょう。


 商店街なのか、住宅街なのかよく分からないこの商店街を歩いていると、少し飲食店もあります。



 こんな路地の奥に、娼家が立ち並んでいたのでしょうか。今では考えられませんね。ここが風俗街だったなんて。



 全く色街の名残はないのですが、この辺りは、玉の井三部、四部と言われた色街でした。現在の玉の井いろは通りや、平和通りが、一部、二部と呼ばれ、永井荷風の「濹東綺譚」の舞台になった場所でありますが、一方で、この東向島駅前商店街のあたりは、漫画家・滝田ゆうが少年時代を過ごした場所として、「寺島町綺談」に描かれています。


 上の写真の道路の左側あたりが、滝田ゆうの生家であり、家族が営んでいたバー「スタンドバー・ドン」があった場所であります。全く当時の面影はない無機質な街と化していますが、路地を入ると、娼家が立ち並び、娼婦のお姉さまが、行き交う男性に声を掛けていたのです。そのような情景を懐かしさと哀愁を織り交ぜて描かれたのが滝田ゆうの「寺島町綺談」です。寺島町綺談を読んだことがない方は、ぜひ読んでみて下さい。この辺りが、その当時、どのような場所であったかが、手に取るように分かります。



 細く狭い路地が入り組んでおります。今では民家が立ち並んでおり、何の面影もありませんが、戦前は娼家が立ち並んでいたのでしょう。




 この辺も、東向島駅前商店街のようですが、寂れっぷりが激しいです。


向島駅前商店街の地図、アクセス

東京都墨田区東向島5丁目

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