私の記憶の中に、上野の薄暗くバラックのような建物が立ち並ぶ路地裏に、昭和の佇まいを残したとんかつ屋だか定食屋があった。そのとんかつ屋も行ったことないのだけど、外から見るに、カウンターだけの小さな、そして多分戦後からやっているであろう年季の入った店内だった。
いつか行きたいなと思いつつ、そんな行きたいお店はたくさんあって、月日はどんどん過ぎていっていたのであるが、ようやく行ってみようと思ったのである。情景の記憶は薄れいているが、そこは「たぬき小路」だったという記憶はきちんと残っており、また、場所もすぐ分かった。
が、記憶にある路地裏とは全く違う。こんなにビルに囲まれておらず、もっとバラック小屋のような建物が並ぶ薄暗い路地だったような。しかも、たぬき小路を取り囲むビルは、どれもたぬき小路に冷たくなんのお店も設けていない。
あるのは、とんかつ屋のとん八亭と、その先の居酒屋だけ。調べてみると、とん八亭は、平成21年(2009)に改装しているらしい。そうか、そうすると行ってみたい行ってみたいと思っていたが、それからもう10数年も時が経っているのか・・・時が経つのは早くて恐ろしい・・・。あの頃のお店は、多分、路地裏に佇む昭和と共にくたびれたとんかつ屋だったのだが。
いや、それとも、どこかの昭和なとんかつ屋とどこかの昭和レトロな路地裏の記憶がミックスして、記憶がひんまがっているのかもしれない。
それはそれとして、このたぬき小路、ほぼ、ビルの背側と化していて、ここのビル達のたぬき小路に対する仕打ちは何たることか。
とん八亭は、昭和22年(1947)創業なので、たぬき小路もその頃からある古い通り。路地の入り口にはたぬき小路の看板があり、通りには「新栄会」の看板が並んでいる。新栄会がこの通りの商店街組織の名称なのだろうかとも考えられるのだが、果たして、とんかつ屋と居酒屋の2軒しかないこの路地に商店街組織があるのだろうか。これらの看板は、この2軒で出し合って作っているのだろうか。
不思議な路地裏である。
たぬき小路の地図、アクセス
東京都台東区上野4丁目3〜4
たぬき小路 情報交換
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