2023年10月20日金曜日

下町全開!!力食堂|北区上中里の外れの絶滅が危惧される食堂



 荒川区に隣り合う北区上中里のはずれ。すぐそこには、都電荒川線がのどかに走り、梶原銀座商店街なんていう昭和レトロな商店街がある。
 前に訪れた時、明治通り沿いにひなびた居酒屋食堂の看板を見かけたので、いつかこようと思っていた。やっと、一月前に来てみたんだが、閉まっていたので、もう廃業してしまったのかと心配していたが、今日来てみたらなんと開いていた。それくらい、いつ店を閉じてもおかしくない趣きのひなびた居酒屋食堂だ。
 ただ、ここのお店、ただモノではなかった。下町全開な大先輩たちが集う、もう何が何やら、大先輩の勢いに圧倒されてしまった。


 お店には、お一人の大先輩と、3人組の大先輩。お店を切り盛りするのは、ご高齢のお母さんお一人。背の少し曲ったちっちゃなお母さん。か細く甲高いお母さんの声は聞き取りにくい。お店に入ると、何かがあつて、何かが無いようなことを言われたのだが、よく分からなかった。


 3人組の大先輩の奥に座って、ビールとポテトサラダを頼んだが、ポテトサラダは無いようだ。煮込みはありますよとのことだったので、煮込みを頼んだ。
 しばし、テレビを見ながら一人飲みを楽しんだ。後ろの大先輩たちは、男性2人に女性1人。いくつになってもね、女性を囲んで盛り上がっているようだ。


 煮込みが届いてビールも、もう1本頼んでおいた。ビールを飲み終わった頃、女性の大先輩は先に帰ったようだ。普段ローテンションな私は、いつも一人で酒を飲みたくなるのだが、ビール2本で心地よくなって少し話したくなってきた。そして、私の背中からも、男2人になった大先輩たちが、わたしの存在を意識し始めているのが、なんとなく伝わってくる。
 熱燗と何かつまみを頼もう。横を向いて、お母さんに、熱燗と、それからつまみはどれだったらありますか?と話しかけた瞬間だ。大先輩たちとの交流が始まった!
 町工場の労働者風の大先輩と、ジャケットを着て紳士な大先輩。なんの脈絡か分からないが、ジャケットを着た大先輩は、昭和の歌手や、映画、俳優など、こんなのが好きだったという話になった。昭和歌謡は、フォークからロック、演歌にいたるまでそこそこ明るいと自負しているわたしだか、おそらくそれよりも少し前なのだ。全く分からなかった。
 その紳士な大先輩は早々に帰られ、町工場の大先輩と二人になった。町工場の大先輩は、集団就職世代のまさしく町工場の人であった。この大先輩はアツかった。人生、子どもの将来、そして、世界の中の日本と話が壮大になった。
 大先輩は、日本の将来を憂いていた。そう、わたしたち以降の世代は、大先輩たちが作り上げた日本で生ぬるく甘えて生きてきた。私たち以降の世代が、これからのことを真剣に考えてやっていかなければいけないんですよね!その通り!これからはAi社会だと。子供には絶対にAiをやらせなきゃいけないと。親が導いてやらなきゃいけないんだと。
 大先輩の憂いは激しく、とめどなく続いた。

 よく来られるんですか?と聞いたら、毎日きてると言っていた。お母さん、大変ですね・・

「自分のやりたいことを仕事にするのは難しいですよね・・先輩は、何かやりたいことあったんですか?」
「俺は、マグロ漁船に乗りたかったんだ」と、照れ笑いしながら語った。なぜ、照れ笑いしたのか分からなかった。

食べたもの

アサヒスーパードライ 2本
レモンサワー
熱燗
煮込み
豚生姜焼き
枝豆(お通し?)
〆て3,000円いかないくらいだったと思う。

食道の地図、アクセス

東京都北区上中里3−18−6

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