2023年12月18日月曜日

季節料理 福助|三ノ輪ガード下脇、下町高齢化酒場

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 三ノ輪の浄閑寺。かつては投げ込み寺と呼ばれ、亡くなった吉原の遊女が投げ込まれるように葬られていた。そのような歴史を持つ浄閑寺近くの路地裏に居酒屋が軒を連ねていたと思われる長屋があることをXで知った。少し物悲しい歴史を持つお寺の近くの路地裏の古酒場。これは行ってみないとと思い訪れたが、残念なことに閉まっていた。閉業してなければ良いのだが。
 そんなことで、どうするか?と彷徨っていると、常磐線の高架下に風情のある店構えの酒場発見。
 いつもながら、初めてのお店は少し勇気がいる。お店の人がどんな人か分からないし、お客さんもどんな人たちが来ているのかも分からないし。
 人見知りな私は、どちらかというとお構いしてもらわず、一人で静かに酒を飲みたいのだ。


 そうではなかった。お客さんは60代後半、それ以上の年齢構成。私も常々初老だと思いつつ、でも、ここのお客さんの年代に比べると若いものだから、「若い人が入ってきた」と興味津々。
 カウンターの隣の大先輩は、特に興味津々で、高速にしゃべり続けた。注文もできない勢いだ。19時頃だったが、もう4件目だそうで、かなり出来上がっている。この時間で4件。まさに下町の大先輩だなぁ。
 一人で静かに飲む思惑は崩れ去ったが、いや、これはこれで楽しいものだ。ツンとおすましした都心のサラリーマンと話すよりも、こんなにも人間くさい人とガチャガチャ話す方がダンゼン楽しい。


 チャキチャキの下町の元気なお母さんな感じのママから、「ちょっと、注文もできないでしょ!」と静止され、なんとかビールを頼む。
 ママから、「うるさいでしょ、この人。でも人は悪く無いんだよ」なんて言われてたけど、私としては、気を使わず話せて、全然いいんですよ。
 お通しかな、あんかけ湯豆腐が出てきた。あったまるなー。
 隣の大先輩は、ずっと盛り上がり続け、ついに手が出た。どんとこづいてきたのだ。まぁ、私は酔っ払いのスキンシップくらいにしか思わなかったけど、ママ激怒。
ママ「ダメでしょ!!もう、離れなさい!」
私「いいですよ、いいですよ、スキンシップですよ」
大先輩「オレは、この人好きなんだよ」
ママ「手を出したらダメでしょ!一席開けて!」
 結局、大先輩とは一席開けて話は続いた。


 大先輩との途切れない会話のスキをみて、ホッキ貝刺を頼んだ。なかなか美味い。
 私の隣には、大大先輩もいた。この大大先輩は、かなりのご年齢だ。大先輩が、他のお客さんと話してる間に、大大先輩が話しかけてくれたんだが、ご年齢もあるからなのか、吐息のようなかすれ声で、何を話されているのか全く分からなくて残念だった・・・
 その後も、大先輩の話は続く。こう言っては失礼だが、ブルーワーカーの大先輩なのだが、本がお好きなようで、かなりの博識なのだ。特に近現代史がお好きなようで、幕末維新の頃の話で盛り上がった。
 「オレは、あんたが好きだよ」と話してくれて、明日が休みだったら、とことん飲んでたかもしれないが、明日早いので帰ることにした。
 日本の成長を支えてきた大先輩たちと飲めて、そんな大先輩たちの無邪気さと博識にふれられて、温かい気持ちになった。

食べたもの

キリンラガー
酎ハイ×2
ホッキ貝刺

〆て 2,800円

節料理 福助の地図、アクセス

東京都荒川区南千住1-14-4

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