2019年9月8日日曜日

北品川商店街|旧東海道品川②品川北本宿

ホーム東京の通り>北品川商店街(旧東海道・品川北本宿)
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品川商店街

江戸名所之内 品川の駅海上
    北品川本通り商店街を、南行すると、北品川商店街に続きます。北品川商店街は、法禅寺あたりから目黒川までですので、江戸時代の宿場でいうと、北品川宿とほぼ合致しています。
    北品川宿は、慶長6年(1601)に南品川宿とともに設置されました。享保7年(1722)に設置された歩行新宿より早くに設置された歴史があります。歴史はありますが、歩行新宿の北品川本通り商店街と同じく、江戸の風情を残しているのは、幅の狭い道と、山側の細い路地の奥に神社仏閣があることくらいです。所々にある由緒が書かれた立て看板を見て、全力で江戸時代の東海道を想像するしか手立てがありません。
    江戸情緒を楽しむというよりは、やはり、近代以降のレトロ建築、また、東京の下町然とした庶民的な商店街の町並みが大きな魅力です。


戸切絵図で見る、北品川商店街


 法禅寺に入る通りを少しすぎると、海側に路地があります。この路地は「溜屋横町」と言います。なぜ溜屋と呼ばれるのかは分かりません。この先を行くと鳥海橋という橋があったようで、その先には埋め立て地の利田新地になります。今は、橋はありません。


 この溜屋横町あたりが、歩行新宿と北品川宿の境目であったとこの看板は書いているのです。そして、江戸時代の北品川三丁目と歩行新宿一丁目の境と書いてあります。ですが、嘉永3年(1850)の「高輪辺絵図」を見ますと、緑で囲っているのが歩行新宿で、水色で囲っているのが北品川宿ですが、歩行新宿一丁目と品川北本宿三丁目は接していません。
 また、溜屋横町は法禅寺の斜め前あたりから東に向かって伸びています。切絵図でいうと、矢印のあたりになります。が、その先に橋が見当たりません。橋は北西の方向に見えるのみです。この説明板と切絵図がどうも一致しないような気がしますが、どうなのでしょうか?


 歩行新宿と北品川宿の境目は法禅寺辺りからとWikipediaに記載されておりましたので、それに準じて北品川本通り商店街も記載をしました。ですが、切絵図を信じるならば、歩行新宿と北品川宿の境目は法禅寺辺りではなく、善福寺あたりとなるのではないでしょうか?歩行新宿と北品川宿の境目にある横町から目黒川を渡る橋があるという説明板に書いてある内容と、切絵図の内容がピッタリ合います。
 歴史ミステリーというか、多分、ただ単に、私が無知なだけなのでしょうが、それはおいておいて散策に戻ります。

品川商店街の街並み

 溜屋横町を入ると立派な蔵のような建造物が目に入ります。この蔵隣には、明治23年創業の呉服屋の尾張屋さんがあります。この呉服屋さんの蔵でしょうか?


 その奥には、StreetCartの駐車場のようなものがありました。品川にもカートが走っているのですね。あまり見たことないですけど。


 北品川商店街に戻ります。低層建築が続き空がきれいに見えるのは、都心ではなかなかないでしょう。地方の観光地のようです。


 旧東海道、歴史観光としては最適なところだと思いますが、良い意味で観光地かしていなく、地元密着な商店街という感じです。観光で散策している人に向けた、おしゃれなカフェみたいなものがあるかなと散策しましたが、そんなものはあまりありません。下は、数少ないカフェ「KAIDO books & coffee」さん。


 ブックス・アンド・カフェですから、店内には所狭しと本が並んでいます。本は読むこともできますし、購入することもできるようです。旅に関する本が多く取り揃えられています。品川宿という日本を横断する東海道の宿場町で旅に関する本を読みながらコーヒーを飲む。旅の気分が一層盛り上がります。


 カフェですが、お酒もあります。COEDOビールを頂きました。旧東海道散策で疲れたら、コーヒーorビールで一服できます。



 こちらは、幕末の慶応元年(1865)創業の履物屋、「丸屋履物店」さん。すごいです、佇まいが!そして、履物屋さんとしての責務を全うするかのように、履物、草履、下駄、雪駄などの和装履物しか販売していません!このスタイルで存続しているのが感激です。レトロ建築で、リノベ系のお店は数多ありますが、この丸屋履物店さんは、全てが、芯まで本物です。脇にある「たばこコーナー」が、また、たまりません。
 ここの辺りは、昭和レトロ感たっぷりな建築が多く残っており、見どころ満載です。昭和レトロなのか、大正レトロなのか分かりませんが。


 近代以降、東京の東側には工場ができ、目黒川流域のこの周辺にも工場ができたため、東海道沿いは江戸からの宿場町や色街としての役割よりも、工場労働者たちの商店街としての役割が増してきました。そのような近代以降の懐かしい商店街の風景が、今なお残っているのです。看板建築の「魚より」さん、本当に町の魚屋さんという趣です。このような魚屋さんは、大手スーパーに駆逐されまくっていますが、どうか、このままであって欲しいものです。


 上の写真の「若素園」さんは、大正5年(1916)創業のお茶屋さんです。建物もその当時からのものなのでしょうか?何れにしても、こちらも立派な看板建築です。ソフトクリームの販売もしていますので、ソフトクリームでも食べながらの品川宿散策もできますよ。


 若素園さんの先にある東側の路地を入ると、看板建築が一軒。こちら側の路地、今は住宅街になっていますが、以前は、路地にも商店があったのでしょう。
 さらにその先に行くと「品川区立 聖蹟公園」があります。江戸時代、品川宿の本陣跡です。北品川宿、南品川宿、それぞれに本陣があったようですが、江戸中期以降、一本化されたそうです。この本陣跡は、明和8年(1771)よりの本陣です。


 本陣とは、大名や勅使が休息、宿泊する宿です。なぜ、聖蹟公園なのかと言いますと、明治維新後、明治天皇が京都から江戸に入る際にこちらに立ち寄られたので、聖蹟と名がつきました。

江戸名所図会 品川驛

 北馬場参道通り商店街(品川神社への参道)と合流する場所に建てられているたばこ屋「ポピーナカヤマ」さん。このレトロ感もたまりません。しかもたばこ屋さんでこのビルとはどういううことなのでしょう?
 写真上で右手に行くと品川神社につながる北馬場参道通り商店街です。左手は、そのまま北品川商店街が続きます。


 雰囲気の良い極小路地の奥に割烹「神戸家」さんの看板が下がっているのも良い雰囲気。ですが、閉業されているようです。何の情報もありません。


品川橋
品川橋までが北品川商店街、そして江戸時代で言うところの北品川宿です。品川橋の下に流れるのが目黒川です。品川橋は、北品川宿と南品川宿を分ける橋ですので、「境橋」と呼ばれたり、「行合橋」、「中の橋」などと呼ばれていたようです。

の北品川商店街

 北品川本通り商店街と同じく、北品川商店街も夜は、人通りもまばらで、ポツポツと街道沿いに明かりが灯っていて、落ち着きます。










品川商店街の地図、アクセス





品川商店街沿いにあるお寺

 品川の旧東海道沿いの山側(西側)には、とにかくお寺が多いです。この辺りは、戦災を免れましたから、木造の立派なお寺も多くあります。旧東海道は、江戸の宿場町の風情というよりは、近代以降のレトロ、ノスタルジーが魅力ですが、この街道沿いにあるお寺は、江戸の昔の宿場町の名残を見せてくれます。

豊盛山延命院 一心寺
 品川宿の中では珍しく街道に面しており、小さな箱庭的境内です。境内はきちんと手入れされており、街道のレトロな商店街と馴染んだ可愛らしいお寺です。
明鏡山善行院 養願寺
 知恵を授けると言われる虚空蔵菩薩が本尊のお寺です。お子様が13から15歳までの間にお参りをすると良いようですよ。年二回の例大祭には、露店がたくさん出るようです。

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