2019年9月8日日曜日

音響山伝相院 善福寺|鏝絵の名工、伊豆長八の漆喰壁がド迫力!

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 旧東海道の一部「北品川本通り商店街」の西側の路地にあるお寺。旧東海道からの参道は、そっけないビルともじゃ物件。


そっけない参道の先の山門は、立派な山門です。


 この善福寺の創建は古く、永仁2年(1294)です。鎌倉時代からあるのです。


 もちろん、江戸切絵図にも描かれています。


 とても歴史を感じる本堂。しかしながら、今にも倒壊しそうですが、大丈夫なのでしょうか?


 境内には、小さな稲荷堂があります。本殿と拝殿をドッキングしたお堂で、本殿は土蔵造です。
 

 境内は、だだっ広く、そして、そっけない参道から、もじゃ物件、倒壊しそうな本堂など、何か場末な雰囲気が漂っております。
 しかしですね、こちらの本堂、実は凄いんです。
 本堂の壁は、よく見ると漆喰で、しかもタダならぬ気迫が伝わってきます。そうです、その漆喰壁には、昇り龍と下がり龍が漆喰で描かれているのです。このような装飾は鏝絵(こてえ)といいます。左官職人さんが、コテを使って描くからです。そして、この善福寺の鏝絵は伊豆(入江)長八と呼ばれる左官の名工によって作成されているのです。
 Wikipediaによれば、伊豆長八は、幕末から明治にかけて都内に多数作品を作っていましたが、やはり、震災や空襲により消失してしまっています。善福寺の本堂は、数少ない災禍を免れ現存する作品であります。
 こんな広い境内に、当時の名工の漆喰作品が施された本堂ということは、とても裕福なお寺だったのかと思われますが、現在のこの場末っぷりがもったいないような気がしますし、手入れできなくて、本堂が倒壊したりすることのないように願います。
 私はこちらに訪れた際には、この本堂が鏝絵の名工により作成されたとは知らずに見ました。ですが、そのタダならぬ迫力には圧倒されました。もっと、この鏝絵は、もっと宣伝したら観光客が集まるのではないかと思います。
 旧東海道は、宿場町の江戸風情は残っておらず、近代レトロを楽しむ街道となっていますが、旧東海道から西側に入った路地には、たくさんの寺社仏閣があり、また、戦災を受けていませんので、この善福寺のような素晴らしいお寺がたくさん残っています。これらのお寺と江戸風情を結びつけて、旧東海道を盛り上げて欲しいと勝手に思っています。

善福寺の地図、アクセス




品川宿のその他の寺院
 とにかく、街道沿いには寺院が多いです。御殿山から土を取り、海岸は埋め立てられ、今は素っ気もない地域ですが、江戸時代は、御殿山という山あり、海ありの風光明媚な場所でした。そのため大名の下屋敷も多く、そのような関係から寺院が多いと聞いたことがありますが、鎌倉時代や室町時代開山の古いお寺が多いです。
 荒廃しそうなお寺もありますが、それぞれに特徴があり、歴史のあるお寺が多いです。街道歩きとともに、寺社めぐりもお薦めします。

豊盛山延命院 一心寺
 品川宿の中では珍しく街道に面しており、小さな箱庭的境内です。境内はきちんと手入れされており、街道のレトロな商店街と馴染んだ可愛らしいお寺です。
臨海山遍照院 法禅寺
 品川区指定の文化財が非常に多くあり、品川宿という宿場町ならではの庶民文化を今に伝える文化財もあります。が、多くの文化財は見れません。見たいです。
明鏡山善行院 養願寺
 知恵を授けると言われる虚空蔵菩薩が本尊のお寺です。お子様が13から15歳までの間にお参りをすると良いようですよ。年二回の例大祭には、露店がたくさん出るようです。

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