2020年3月1日日曜日

大塚三業通り|今でも細々と芸者さんが呼べる寂れた花街

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つて華やかだった大塚花街のあった路地


 大塚なんて、マイナーな駅ですが、そんな大塚駅前にも、かつて花街があったのです。というか、まだ、細々と存続しているのです。花街の痕跡ではなく、今も花街なのです。
 山手線・大塚駅の開業が明治36年(1903)なのですが、山手線29駅のなかで、池袋、巣鴨と同時10番目の早さで開業していますからそれなりに人が集まったのでしょう。大正9年(1920)には、天祖神社辺り(現在のサンモール商店街)に大塚花街の原型ができたそうです。
 そして、大正11年(1922)に三業地としての許可が下りたのですが、それが、現在のサンモール方面ではなく、大塚駅から南東の方向になります。
 ちなみに、三業というのは、料理屋、待合、芸者置屋のことです。このような花街を形成する業者の営業は、許可制なのですね。
 大塚駅南口を出て正面のサンモール大塚商店街を見ると、人が集まっている様子が手に取るように分かりますが、この大塚三業通り方面になる左に目を向けると、全く商業地には見えません。
 こんなところが、花街だったのかと通りに入ると象徴的な光景が!


 どうですか!ホテルと性病科医院のツーショットです!勉強不足であれですが、花街として栄えた当時は、連れ込み宿だったものがラブホテルになったのでしょうか。この通りを奥に進むと、奥の方の住宅街にラブホテルがまた数件ありました。花街跡は、都内いろいろ散策してみましたが、花街跡にラブホテルが稀に隣接しています。大塚花街は、芸者さんもそうですが、春を売る娼妓が多かったのでしょうか。そのような記載は、どこにもないので私の勝手な想像ですが。
 このラブホテルの奥に行くと、うなぎ屋さんがあります。かなりな威圧感のある面構えですが、明治40年創業といいますから、この辺りが花街として栄える前から営業されていることになります!そして、こちらは、大塚三業組合のブログによりますと、今でも、芸者さんをお座敷に呼べるようです。2014年の記事ですので、現在はどうなのか分かりませんが。


 三業通りに戻って進むと、細い路地がのたうっています。


 もしや!そうなんです、暗渠です。この大塚三業通り、以前は、谷端川という小川が流れていたのです。この川沿いは、以前は、この辺りでは人も集まっていたようです。小川沿いに柳がそよぎ、料亭のぼんぼりが並んでいたなんて、なんとも風情がありますね。
 それが今は、こんな様です。無機質な通りに成り下がってしまっています。


塚三業通りの地図、アクセス

 大塚駅南口を出て左にある大通り(どうやらプラタナス通りと言うらしい)を渡ったところにある細い路地が大塚産業通りだ。
東京都豊島区南大塚1丁目




機質で廃れきった大塚花街(三業通り)散策



 千草さん。ネットを見ると割烹水炊きのお店とありますが、これは、営業されているのでしょうか。分かりません。下の写真も以前は、飲食店だったのでしょうが、今は民家となっているようです。
 昭和55年(1980)創業のとんかつ屋さん。その時代は、もう花街は陰りを見せていたのでしょうか。


 とんかつ屋さんの向かいには、風情のあるたばこ屋さん。たばこ屋さんというか、たばこ屋さんの遺構でしょうか。


 本筋に戻って、蛇行した路地を歩きます。
 Wikipediaによれば、昭和6年(1931)には、料理屋が22軒あり、待合(芸妓と遊興するお店)が61軒、芸妓は260名もいたそうです。軍関係者が多く利用していたようです。また、大塚三業組合のブログによれば、昭和初期には700名の芸妓がいたそうです。ずいぶんと、華やかな通りだったことでしょう。
 しなしながら、このような状態です。飲食店は、ほとんどない、閑散とした無機質な通りです。


 下の写真の「割烹 鳥信」さんは、鳥料理のお店ですが、お座敷遊びもできるようなネット記事もありますが、真偽は分かりません。



 ときどき、看板建築が残っているので、ノスタルジック建築がお好きな方は、楽しめると思います。


 住宅の合間の路地の奥に、よく見ると、お寿司屋さんが。お店の向かいの建物を工事していたので、工事車両が止まっていて、写真写りは悪いですが、ビルに囲まれた昭和風情な建物は情緒を感じます。
 大塚花柳界が華やかりし頃からあったのでしょう。今では、住宅の中にポツンとあって違和感がありますが、その昔は、この辺りも飲食店がある路地だったのでしょうか。


 本筋に戻って歩くと、少し、飲食店が増えてきます。何も知らずにきた私は、飲食街の雰囲気が少し残っているんだろうと勝手に考えて、お昼を大塚三業通りで食べうようと思っておりましたが、居酒屋ばかりで、お昼に食事できるお店がなかなかありません。




 上の「松し満(まつしま)」さんは、大塚花街が華やかりし頃、料亭で腕を振るわれていた料理人さんが営んでいるお店のようです。小さな漁師屋さんですが、芸者さんが呼べるようです。
 少し歩くと「割烹 一松」さん。両方、松の字がついていますが、営んでいるのがご兄弟だそうです。
 詳しくは、さかまたつみさんのブログ「夜が待ち遠しい」をご覧ください。どちらもリーズナブルで良さそうなお店です。



 歩いていて、また路地に目をやると、下のような古ぼけた建物が!


 置屋だったのでしょうか。今は、全く利用されていない様子です。


 隣には、「家庭料理 まきしま」と看板が出ておりますが、こちらも、もう営業していないようです。この風情のある建物、花街の遺構と化しており、取り壊されてしまわないか心配です。


 本筋に戻ると、現役で風情のある建物が!このあたりが、大塚花街の中心地だったのでしょうか。


 料亭が今も残っているのかと覗き込むと、こちらは、会社の社屋のようです。入り口には、石垣から水でも流れていたかのようなモニュメントがあり、大きな松も生えております。料亭を社屋に活用しているのでしょうか、なんなのでしょうか。


 その隣には、「和可月」さん。こちらは、れっきとした料亭で、現役。今でも、芸者さんが呼べる料亭です。


 和可月さんのお隣も、何か風情を感じますが、ただの民家でしょうか。


 この辺りが、やはり、花街の中心地のようですね。



 大塚花街の中心地であったのかと思しきところから更に南下すると、無機質なマンションがだらだらと続きはじめました。もう、これ以上、何もないのかと思いながら、それでも大塚三業通りが終わるまで歩いてみようと南下を続けました。

塚三業通りの蕎麦屋で昼食


 住宅街を歩いていたら、町そば発見。入ってみたら、お昼時ということもあり、多分、近所の方々でしょう、満席でした。
 町そばで、お一人で昼呑みチックな方もいらっしゃいました。蕎麦屋のちょっとした気の利いたつまみもあります。


 お昼を済ませ、この蕎麦屋さんから、見回すと、レトロチックな建物が。


 実は、下の写真の「すなっく 琴音」さん奥に、「浅元」という看板が見えますが、こちらも、現役の料亭のようです。


 その後、南下を続けます。


 そして、その後は、看板建築が多数現れはじめます。何かのお店だったのでしょう。この通りは、かつて、花街で成り立っておりましたから、関連の商店だったのかもしれません。



 そして、また少しずつ、飲食店が現れはじめます。今度は、看板建築に入っています。




この辺りの東側には、東福寺という大きなお寺があります。その門前町として賑わっていたのかどうかは分かりませんが、少し、このあたりは飲食店が並んでいます。
 



 「29 Rotie」さんは、生ハムが美味しいそうです。詳しくは、大塚新聞の記事をご覧下さい。



 この辺りで、大塚三業通りは、大通りに突き当たり終わりになります。ずいぶんと長い道のりでした。一体、どこまで花街が続いていたのでしょうか。
 この辺で路地裏に入ってみると、下のような建物が。ポストには「谷川荘」と書いてありますが、門構えが、ただ物には見えません。何か花柳界に関係のあるお店だったのではないかと思います。



 その後、大塚駅に戻るのに、路地裏を歩いて戻っていると、「大塚三業組合」という看板を発見しました。路地裏のしかも動物病院の玄関に。どうやら、置屋の御子息が獣医さんのようです。


 更に、路地裏散策していますと、タイル張りの建築が。


 普通の民家として建てられたのか、それとも、タイル張りというと、カフェー建築を思い浮かべるのですが。下の写真の奥の建物は、少し曲線がかっており、カフェー建築を思い浮かべます。違っていたら、大変申し訳ございません。




 この細長い建物、「松し満寮」と書いてあります。
 先に紹介した料理屋の「松し満」さんと関係があるのでしょうか。「松し満」さんは、こぢんまりとしたお店で寮を構えて従業員を抱えるようなお店ではないように思えますが。それか、ご主人が、以前やられていた料亭の寮なのでしょうか。謎ですね。



 と、歩いていると、「松し満」さんの屋号が掲げられている建物が。もう営業されていないようですけど。こちらが、元のお店なのでしょうか。




塚三業通り 情報交換


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