Tokyo Explorer's Map: 原宿通り（とんちゃん通り）｜古着屋が多くある裏原の路地。そんな路地に大衆酒場もある。

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　原宿駅から竹下通りを東に進み、明治通りを渡るとその先は原宿通り。９０年代から２０００年代には裏原と言われていたあたりの一部であり、東側で原宿通りと接する旧渋谷川遊歩道路やプロペラ通りとあわせて日本のストリートファッションの中心地だったところだ。今なお、古着屋などが多くある若者ファッションの中心地である。

　９０年代から、私は原宿をウロチョロしてただけど、その頃から原宿通りにあるのは五右衛門くらいか。

　まぁ、とにかく新旧有名無名関わらず洋服屋の多い通りで、それは９０年代から変わりがない。ただ、それより前がどうだったのか知らない。多分、庶民的な商店街だったのかなと思われますが、ワシントンハイツと呼ばれた戦後のアメリカ軍の居住施設があった代々木公園に近いこの辺りは、その頃からオシャレな街でもあったようだ。そういう見えない血がこの土地にずっと流れているんだな。

　一方で、アメリカの兵隊さん相手だけではないと思うが、この辺りから千駄ヶ谷、代々木にかけては、連れ込み旅館が多い所でもあった。原宿の黒歴史だな。そういう歴史は一掃されている感がある。

　原宿通りは、竹下通りの延長線のように東に延びる通りと、竹下通りから９０度北に向かう通り、通称「とんちゃん通り」に分かれる。

　私が、この辺りを歩き始めた３０年くらい前から、この通りは「とんちゃん通り」だった。なんで「とんちゃん通り」かというと、「とんちゃん」という居酒屋があったから。昭和３８年（１９６３）から平成５年（１９９３）まで、この通りにあったんだそうだ。名前から察するにもつ焼きかなんかのお店だったんだろう。そんな大衆酒場は、今の原宿のスタイルとは合わなかもしれないが、とんちゃん通り（原宿通り）には、大衆酒場が数軒残っている。

　とんちゃん通り（原宿通り）は、細い路地だけど古着などのファッションアイテムを求めて多くの若者が集まってきている。

　それにしてもこの路地は、くねくね曲がった細い路地でなんなんだろう。もともと、この辺りは田畑だったから畦道だったのかなと思い江戸切絵図「東都青山絵図」を見てみると、おそらく大名屋敷と田んぼの間の通りだったようだ。細い路地だけど、歴史のある通りなんだな。

　ラフォーレ前の交差点から新宿までの明治通りができたのが昭和５年（１９３０）なので、それまでは、この辺りには大きな通りはなくてとんちゃん通り（原宿通り）がメイン通りだったのだろう。というか、そもそも田舎というか下町って感じだったのかな。

　日曜は休みだけど、中華昭和軒は昭和３５年（１９６０）創業の老舗町中華。おしゃれの街でありながら、こういう大衆的な下町的な老舗が残っている。

　看板に１９８９と書いてあるので、その頃からあるのだろう、ロックバーのHALF MOOM。裏原にA BATHING APEとUNDERCOVERのショップNOWHERがオープンしたのが１９９３年なので、まさに裏原前夜という時代にこのロックバーがオープンしていたというこになる。あんまり関係ないか。

　やけに味のあるビル。この向かいには９０年代後半、n°44というセレクトショップがあった。セレクトショップと言っても古着を中心にしてブランドをセレクトするショップだった。

　↑９０年代後半、n°44。

　路地裏に味のある古い民家が残っている。

　小料理屋然とした仲や。若者のファッションの街に似つかわしくない大人な酒場。ランチのマグロ丼が人気で行列ができるらしい。

　この２軒も味がある、みこしとひょうたん。下町の親父の酒場然としている。とんちゃん通り（原宿通り）には、古着を買いに来た若者ばかり歩いているのだが、そんな若者はこんな渋い酒場で酒は飲まないだろう。誰に需要があるのか分からないのだけれど、とんちゃん通り（原宿通り）にはこんな酒場が少しある。昔は庶民的な商店街だったのかな。

　Vespaのショップがある。いつできたんだろう。９０年代、バイクカルチャーがファッションと共に隆盛を極めていた。ヤマハSRをTRIUMPHやNortonのようにして乗るロッカーズスタイルや、Vespaをモッズスタイルにカスタムして乗ったり。それからVespa乗りなんてあんまり見なくなったような気もしていたけど。

　９０年代後半、ここにはMADE IN THE WORLDというセレクトショップがあった。GENERAL RESEARCH、FAMOUZ、SOPH.、TENDERLOINなんていうストリートブランドを扱っていた。

　↑９０年代後半、MADE IN THE WORLD。

　この辺りには、VOICEという古着屋があった。昭和５７年（１９８２）創業というから、この辺りがまだ古着屋で埋め尽くされることになる全然前からあったということになる。９０年代のアメカジ古着ブームを牽引した古着屋だった。なんで閉店してしまったんだろう。

　原宿通りの北側にはアーチがかかっている。こんな立派なアーチがあったり、原宿通りの看板付きの街路灯があり、商店街組織がありそうだが、ネットには出てこない。

原宿通り（とんちゃん通り）　９０年代後半から２０００年代

　裏原、ストリートカルチャー全盛期の９０年代後半から２０００年代にあったショップたち。※今はありませんのでご注意※

FAKE
アメカジ系の古着屋。

FAUST
９０年代に黒夢というバンドがあった。ヴィジュアル系に分類されるんだろうが、音はガレージっぽく、ポップさとヴァイオレンスが融合した刺々しさで結構好きだった。その黒夢のボーカル、清春がプロデュースしたブランドSADISTIC AND DENGEAROUSを扱ったショップ。

GOLLEY'S
アメカジ系の古着屋。ヴィンテージ物のリーバイスなどを扱っていた。

HEAD PORTER
吉田カバンのPORTERブランド。裏原のドンと言われた藤原ヒロシ氏がプロデュースしたPORTERがHEAD PORTER。１９９８年から２０１９年まで営業を続けた。裏原ブームがヒートアップしていた頃、商品入荷日には行列ができるほどだった。
この建物の地下１階にはREADY MADEという藤原ヒロシ氏と高橋盾氏がコラボするショップがあった。