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2024年1月11日木曜日

杯一 |田舎でご近所さんが井戸端会議してるような東十条の酒場



 十条といえば、巨大なアーケード商店街、十条銀座商店街のある埼京線側の十条は、メディアでもよく紹介されるが、こちらは京浜東北線側の東十条。十条じゃない方。じゃない方ではあるけれど、東十条駅前には東十条商店街があり、いまだに大賑わいだ。
 そして、十条には酒屋から戦後、酒場になり、今でも老舗酒場としていぶし銀の存在感を放つ斎藤酒場がある。そう、十条界隈には、こういったローカルな風情ある良酒場がちらほら残っているのだ。
 それは東十条も同じ。日暮時に歩いてみると、ポツポツと個性豊かなローカル酒場に灯りがともり始める。
 吉田類の酒場放浪記によれば、ここ杯一は昭和47年(1972)の創業。日本がとっても元気だった頃だ。その日本の働く人たちを下支えした酒場のひとつなんだろうな。ベニヤ板の壁、コの字カウンターの店内が、その歴史を物語っている。
 ただ、つくりは古いんだろうが、カウンターなんかはピカピカに磨き上げられていて、とても清潔感がある。これは、お店の人たちが女性ばかりだからなのだろうか。なんて言うと今の時代、「性別は関係ないのだ」なんて言われるのかも知れないのだけど。
 でも、やっぱり女性らしい優しさが漂っているのだからしょうがない。


 だいいち、私がお店に入って、多いメニューに戸惑ってキョロキョロして決めかねていると、「おでんありますよ」と優しく声をかけてくれる。普通、こういった酒場では、放ったらかされる場合が多いのだから。


 そんな柔和なお店には、おそらく地元の人たちだと思われる常連さんが集う。
 私の隣には、ご高齢のじい様が若い(じい様よりは)女性と飲んでたんだが、じい様、今日はかなり張り切っていたようだ。お相手の女性が帰ってからは、張り切っていたじい様は、カウンターに突っ伏して寝てしまった。そんな姿を見て、常連さんが「今日は張り切ってたんだねぇ」といじられている。


 今日は来ていないお客さんが、この前、どこで何していたとか井戸端会議も始まる。田舎の親戚の家で酒飲んでいるようだ。


 常連ではない私などは全く話題には入れず、聞いているだけなんだが、ここは本当に東京なんだろうかと不思議なほのぼのとした気分になるのだ。


 でも、対面に座っていた強面の御仁が最近亡くなった八代亜紀の話をし始めた。
 アメリカのブルースとは全く違う日本演歌界のブルース。八代亜紀の哀愁漂うブルージーな演歌は、日本のおじさんの胸を掴んで離さない。私も年を重ねるうちに八代亜紀の歌声に胸が沁みるようになっていたのだし、その八代亜紀の逝去には驚かされた。
 いつの間にか、その対面の強面の御仁と八代亜紀について話し始めていただのだった。

食べたもの

サッポロ黒ラベル大瓶 600円
ハイボール 350円
レモンサワー 400円
おでん(3個) 400円
マカロニサラダ 400円
こまい 450円
ささみと水菜のあえもの(わさび和え) 350円


地図、アクセス

東京都北区東十条4−2−14

一 情報交換

杯一について、足りない情報や、新しい情報などありましたら、コメントをお願いします。情報交換の場にしてもらえればと思います。私も知らないことが多いので、ぜひお願いします。

2023年2月25日土曜日

十条中央商店街(演芸場通り商店街)|細い路地に戦後酒場と大衆演芸場

 ホーム東京の商店街>十条中央商店街(演芸場通り商店街)

 東十条駅と十条駅をつなぐように東西にまたがるのが演芸場通り、そしてその通りにあるのが十条中央商店街。そして、十条駅の踏切を渡ると東京の商店街の中でも有名どころに入る十条銀座商店街につながるのです。
 十条銀座商店街は、TV、雑誌などいろいろなメディアにちょくちょく紹介されているので、それはそれは有名なんでしょうが、ここ十条中央商店街も侮ることなかれ、かなり味のある趣のある散策しがいのある商店街なんです。


 東十条駅南口側から歩いてみました。宙に浮いているような東十条駅。京浜東北線は日暮里崖線という崖に沿って崖下に線路があるので、こんな宙に浮いているような駅がたまにある。


 跨線橋の西は坂になっています。坂の入り口にはLa Patisserie CHER BONという看板を掲げた立派な建物があるんですが、調べると昭和49年(1974)創業の洋菓子屋さんなんだそうですが、どうも閉店してしまってるよう。
 この坂を登り切ると十条中央商店街があるのです。


 この坂道もなかなか味のある坂道。北側がかなり断崖絶壁になっていたりして、その上に立物が建っていたりする。地形のダイナミズムを味わえる坂道。



 十条中央商店街のアーチが見えてきました。ほっそい鉄パイプのシンプルなアーチ。このシンプルさが下町旅情を誘いますね。


 とーっても細い路地には、古い商店建築や看板建築も残っていて、昔はかなり賑わったんだろうな。とはいえ、今でもそこそこ人通りはある。地元の人だけでなく散策に来たっぽい人とか、後は、海外の人も写真撮りながら歩いていたので、こんなところに観光に来ているのか?



 十条界隈を歩いていて一番驚いたのは、古着屋が多いこと。いや、多くはないんだが、何だか歩いているとたまに出くわす。そして、なかなかこれがこだわりを持ってやってそうな古着屋なんだ。上の写真の喜器というお店は、沖縄雑貨のお店ではありますが、革ジャンやヴィンテージのアーミーものなんかも売っています。



 これはシブい酒屋だ。というか酒屋の残骸か。こういう建物でカフェとか、バーをやりたい。飲食関係の経験何もないけど。


 何だか色合いのオシャレな床屋さん。青が好きなのか?


 旅役者キャラみたいな幟がたくさんあるが、まさに、この通りには大衆演劇場があるのだ。都内では大衆演劇場は浅草と十条くらいなのでしょう。






 道幅が狭く、私のカメラではうまく撮影できないのですが、美しい和風の商店建築がありました。正面からきれいに撮りたい。



 ここが、大衆演劇場の篠原演芸場。昭和26年(1951)開業。大衆演劇って見たことないんで一回見てみたいな。この通りが演芸場通りっていうのは、もちろん、篠原演芸場があるからなんですが、その名前がついたのは平成10年(1998)。演芸場の歴史から考えるとつい最近のこと。





 シャッターが閉まっているお店も多く、ところどころ哀愁を感じる。



 なかなか立派な看板建築にアジア食材店。子供がお店前でたわむれていたので、駄菓子屋かと思った。EVEREST STOREというお店のようなので、ネパールとかの食材なのだろう。


 大衆割烹田や。孤独のグルメでも登場した酒場。昭和28年(1953)創業。


 あっちの竹寿司は、昭和23年(1948)創業。歴史ある大衆的な飲食店が残ってる。



 小間物屋は、下町の商店街には必須だ。



 路地の鳥肉の山田屋では、焼き鳥を焼いている。以前は、自販機でビール売っててビール飲みながら焼き鳥を食べれたみたい。この下町文化をコロナがダメにしたんだろうか。



 ここら辺で、十条中央商店街は終わり。アーチの向こうは踏切で、埼京線が通る。下町商店街と踏切、電車は、ものすごく親和性が高いんだけど、高架化するんだとか。住んでらっしゃる方は、そうして欲しいんだろうけど、私みたいなお上りさんは、勝手にこんな下町の光景を残して欲しいと思ったりする。


 築地丸という大看板がかかった古着屋。以前は、寿司屋か海鮮屋かなんかだったのか。





 日も暮れた頃、線路沿いにあるやきとり神ちゃんに行ってみました。


 なんの飾り気もないサッシの引き戸が郷愁を誘う。


 東十条南口の保健所通り商店街にある味の店いさみもそうなんだけど、十条には大将の思い出のスナップが尋常じゃないくらい貼り尽くされているお店が多い。そして、十条では大将ではなくてマスターと呼ばれるお店が多い。この神ちゃんも大将ではなくてマスターだ。



 ここの瓶ビールはエビス、650円。下町飲み歩いてて瓶ビールがエビスってのも珍しいかな。かみちゃん手作りつくね串220円、豚レバ串120円、鳥ももにんにく串180円。
 子供の頃はレバーが大嫌いだったんだけど、大人になって、接待で焼き鳥屋に行った時に無理してレバーを食べた時から、レバーの美味しさを知った私。それ以来、私は、焼き鳥屋はレバーで良し悪しを判別するようになったのだけれど、ここのレバーは最高!外はプリッとしていて、中がとろっとろのクリーミー!これはなかなかない絶品だ!
 あと、私は、つくねはタレと決め込んでいるんだけど、扁平なつくねが塩で出てきた。でも、これも美味かった!


 ホッピーセットを頼んだんだが、セットが400円で、中が350円。庶民の私には中が高いような気もするんだけど、ただ中の量が半端ない。ジョッキの8割が中。なので、2割分のホッピーでうすめてもうっすいうっすい、ホッピーの味がしない・・・。


 レモンサワー380円と、オリジナルの鉄板玉子焼き240円を頼んだ。この鉄板卵焼き、メニューにはオリジナルと書いてあったり、オリジナールと書いてあったり、かなりお薦めなんだろう。
 ここは、私としてはかなりお薦めですしたいお店ではあり、はまった私は、たまに酔っていますが、線路沿いの脇道ということもあるのか、お客さんはあまり入っていません。ゆっくり静かに飲めるのもオススメ!


 神ちゃんで程よく酔っ払って、夜の十条中央商店街に出た。夜になると、ポツポツと酒場に灯りが灯り、酒場の賑やかな声が外まで漏れてくる。


 どこのお店も地元の人たちが飲みにきているんだろうな。






 いずれにしても、十条中央商店街、気取らない下町の庶民感覚の残った最高な商店街です。


条中央商店街(演芸場通り)の地図、アクセス

東京都北区上十条1丁目、中十条2丁目

条中央商店街(演芸場通り) 情報交換

十条中央商店街(演芸場通り)について、勝手な感想を書いてしまっています。皆様の訪れた感想、また足りない情報や、新しい情報などありましたら、コメントをお願いします。情報交換の場にしてもらえればと思います。